- 2009年1月17日 23:59
- Information Architecture
今日はWebSigのIA分科会に行ってきました。WebSigとしては今回が最後、今後は、IAAJのイベントと統合されるとのことです。懇親会では、ネットイヤーの坂本さんとお話できたり、一度お会いしたかったコンセントの長谷川さんとお会いできて、ちょっと得した気持ちで帰ってきました。
行動を要件に落とし込んでいく
ネットイヤーの坂本さんによるセミナーと、それをうけてのグループワークの2部立て。前半では自治体サイトのリニューアルを前提に、どのような思考プロセスでサイト設計を行っているかというのを、ライブで見せるというもの。
ここで一番共感したのは、まずは自分の直感による仮説でモデルケースとなるサイトを念頭においてしまうと言うこと。この考え方は、グラフィックデザイナーが事例集を大量にみながら、使えそうなデザインパターンをサンプリングしていく過程にかなり似ています。
その後、実地取材(無理なら画像検索でもある程度はイメージ可能)、SNSでの口コミ、比較サイトやランキングサイト、実体験などを机上に上げていくことで、ユーザーの行動プロセスをより具体的に検証して行きます。
そして、その行動プロセスを、AIDMAの法則によって因数分解することで、ユーザー行動を「要件」に落とし込んでいく。そういう内容でした。
自分にとって新鮮だったのは、マーケティングにおける消費者行動モデルを表す言葉としてしられているAIDMAを、要件定義の手段として活用していたことです。これは目から鱗が落ちました。それが「消費」行動であろうが、なかろうが、行動を喚起するという意味では同じ仕組みが使えるようですね。
構造とフローはちがう
サイト設計の過程で、初心者が陥りがちなのは、情報構造の通りにサイト設計をしてしまうこと。一見きれいに整理されたように思える構造も、個々の情報がどのグループに所属しているのかが共有されていない限り、どの引き出しにしまってあるのかがわからない靴下のようなものになってしまう。すなわちファインダビリティ(見つけやすさ)が悪くなってしまう。
すなわち図書館整理学や、企業の組織図のような情報構造と、見つけやすく使いやすい画面遷移(フロー)は異なるということです。
特に、ファインダビリティを向上させる1つの方法として、ユーザーのタスクやニーズにあわせたラベリングによってナビゲーションを喚起するという方法(ユーザー指向UI)がある。「●●●をしたい方」といったラベリングがそれ。
ここでは、いかにユーザーの気持ちになれるかが問われるところです。
近道のインターフェース
とは言え、ユーザーといっても千差万別。ペルソナ法といったように、より具体的なユーザーモデリングを行う方法論もありますが、正直いって冗長的。きりがないし、結局自分にちかいユーザー像を中心に考えてしまいがちです。
例えば、初心者のユーザビリティ向上のために行った施策が、ヘビーユーザーのユーザビリティを低下させる原因となることは避けたいものです。ここでも構造通りに画面フローを整理するだけではだめだと言うことがわかります。
例えば、大きなボタンで粒度の大きい第2階層への誘導を行いつつも、小さなボタンで粒度の小さい第3階層への近道を担保する。こういった方法で情報構造を意識させつつも、遷移の効率化も実現するということが可能です。
こういった方法はインターフェースによるハイパーテキストの構造整理という点からして、 IAとUIが表裏の関係にあるということを示している証拠だと思うのです。
ここでも仮説力は大切だった
ここまで述べたような事を、当初に仮説としてたてたサンプリング例を常に念頭に置きながら、その仮説の正しさ、改善点を検証していく方法は、自分がクリエイティブの時に、師匠、先輩方から理由も聞かず教えられてきた方法論と合致していて、かえって新鮮でした。
白紙の上に、統計データや、現状調査を並べて行うと、どうしてもそれに引っ張られてしまい、理想が見えなくなるという考え方はとてもうなづけます。
問題は、どうやってその仮説力をつけるのか。懇親会でも、その部分の教育の難しさについての議論がありました。これはもうセンスではないのかと。
これは常日頃から問題意識をもっているかではないかと思います。与えられたものをそのまま受け取るのではなく、常にもっといい方法はないか、それって無駄があるんじゃないかという問いかけが、サンプリングにあたりながら仮説を立てるときに、これだよなという確信に似たひらめきにつながるんじゃないのかなと思うのです。
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