- 2009年1月25日 01:54
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前回の記事「WPかMTかって、性能の問題だけなんだろうか?」は、はじめてはてブのホットエントリーにもなって、多くの人に読んでいただけました。それだけ、この話題が注目されているのだなぁと思います。
トラックバックもいただき、それぞれの皆さんの記事も拝見して、自分の認識、特にWPに対する知識が少しお粗末だったかなという点もあったので、(ちょっとぐだぐだですが)改めて再考してみました。
日本における両者のイメージ
個人的な印象は、いろいろな人の記事を読んでみて、少し自分でいじって見ても、前回のエントリーとかわらず、やはりMTは迷えるチャレンジャー、WPはシンプルな「ブログ」ツールというものです。
ただこれは、イメージとしてそうだということであって、プログラムとしてそうだと言うことではありません。
「WordPress の拡張性」というエントリーで反論されているように、WP自体が拡張性が高く、一種のフレームワークのような性質をもっているということは、今回指摘してもらって改めて確認しました。WPでも十分、あたらしいチャレンジができるというのは事実です。
むしろ柔軟なのはWPのほうなのかもしれませんが、これは実際に双方のプラグインを開発した経験のある人に、ぜひ聞いてみたいと思います。どなたかいませんでしょうか?
フレームワークとして考えた場合
MTが、ベンダーの意志で「ブログ以上の何か」に進化するためのフレームワークと考えると、WPは「ブログツール」を基本としつつも、使う人の発想で自由にカスタマイズできるフレームワークという感じを受けます。とは言え、MTでスケジュール表を作った人もいるぐらいですから、MTでも発想次第で自由にカスタマイズすることは可能です。あくまでも提供側のスタンスの印象です。
プログラマーではない僕が印象だけで感じたことなので、あまり自信はないのですが、思うに双方の言語の違いが、そのまま双方の文化の違いとして現れているような気がします。
WPはPHP、MTは動的部分はPHPだけど、コアはPerlです。PHPは設計思想より効率性を重視した言語だと思いますので、いろいろ悪口を言われがちですが、やっぱり自由で開発効率がいい。そのPHP的文化がWPにもあるような気がします。
たとえば、テンプレートが気楽にかえられるところはもちろん、テンプレートが単なるPHPのままなので、非常に自由度が高い反面、テンプレートに脆弱性のあるプログラムを組み込んでしまう危険がある。カレンダーの表示が、タグ1つで完了してしまう。(逆にカレンダーのデザインはプログラムでかえる必要性がある)といったように、デザインとプログラムの分離といったところが曖昧です。
一方、MTのテンプレートタグには、データと置き換わるものはあっても、HTMLそのものまで生成するものは基本的にありません。故にテンプレートだけでかなりいろんな事が出来てしまう。事実、コミュニティテンプレートも、プロフェッショナルテンプレートも、テンプレートの違いで拡張されています。純粋にフレームワークとして考えたとき、設計思想として気持ちがいいのはMTのほうだと思うのです。事実、内部のコードがよくできているよねと、言われるプログラマーさんの声を良く聞きます。
以上のような特徴はあるにせよ、どちらも柔軟なシステムだと思います。その上でWPを選択する人たちが増えている理由は、やはり別の所にあると思うのです。
WPを選ぶ理由
僕はWPの走り出しの早さが、受けているのではないのだろうかと思うのです。シンプルにブログを始めるためのツールとう表現をしたのは、そういう意味です。
こまかなカスタマイズをしないなら、テンプレート作りはMTより簡単。テーマとして配布もしやすいので、質のよいデザインのテンプレートが数多く存在し、その中から気に入ったものを選ぶだけで、すぐにブログが始められる。そして、ASP以上のカスタマイズもあとからゆっくり実験できる、カスタマイズの度に再構築もしなくていい。そんな気楽さが受けている様な気がします。これでDBにsqliteが使えれば、もっと気楽に使えますね。
一方、MTはスタイルキャッチャーで簡単に入れ替えできるのは、あくまでも「スタイルシート」だけ、テンプレートをカスタマイズするには、タグをカスタマイズしなければなりません。ネットで配布されているテンプレートを利用するのにも、プラグインとしていったん既存のテンプレートを初期化して置き換えて再構築という形になるため、気軽に試してみるという感じではないように思います。
テンプレートとスタイルシートの管理が、微妙に異なる形になっているのは、おそらくVOXやTypePadの資産とスタイルを共有したかったから、組織内で複数のユーザーブログを作る場合、ユーザーにはスタイルの選択以上のことはできないようにしたいといったニーズにも対応出来る必要があるなど、様々なマーケティング的な理由により、この様な仕様になっていると思います。それがかえって、単一サイトで使う場合を考えると、テンプレートはWeb上からカスタマイズできるが、デフォルトのスタイルはWeb上からいじれるようにはなっていない等、気軽にいじるというにはちょっと面倒に感じる理由にもなっていると思うのです。
もちろんWPはオープンソース、MTはデュアルライセンスという、条件によってお金がかかるという部分もWPを選択する理由として大きいと思います。特にアルファブロガーの方々は、ある意味ビジネスでやられている人もいらしゃるわけで、テーマ別にブログを分けたいとなると、それぞれにかかる初期コストの違いは大きいですよね。
MTを選ぶ理由
しかし、それでもMTを使う理由もあります。それは計画的に作るなら、やはり安心感があると言うこと。ゆえに僕も仕事でつかうのならば、MTを第一選択にするでしょう。日本語による情報の多さ、ビジネス事例の多さ、商用ライセンスによるサポート、ウェブサイト、コミュニティサイト、ライフストリーミングといったような新しい使い方を試してみることができる、日本人コミュニティの活発度、ビジネスコミュニティの存在(ProNet)等々 これらは、ビジネスで使う場合の大人の事情にとても助かります。CMSとしては、どこか中途半端なMTが、こういった大人の事情にマッチしているのが、CMSっぽいといわれる所以ではないかと思います。
一方、実装の現場レベルでも、突発的なアクセス増加にもある程度安心できる静的出力、条件で選ぶことのできるDB、 そして、素性のよさそうなプログラム、業界の共通言語になりつつあるので、外部に協力を頼みやすい等々、これらも、やっぱり仕事で使うのには安心できます。
テンプレートのカスタマイズにしても、自社できちんとデフォルトテンプレートを開発しておけば、次回からはいつも同じ状態から始められるので、大幅に作業コストが減らせます。それはプラグインについても同様です。初期コストはWPと比べて、ネットに落ちているもので何とかするには、バリエーションがすくないですが、存在するプラグインや、カスタマイズの情報は、日本語でも深く研究されているものが存在するため、それらをきちんと押さえて、自分ならではの環境を作っておけば、かえってWPより楽につくれるのではないかと思うのです。
CMSとしてはどちらも足りないものがあるように思う
双方を比較して、どちらも使い方次第ということになると思います。僕の場合、ブログならWP、そうでなければMTかなと思います。
この「そうでなければ」の部分が「CMSなら」という風に、言われている(SixApartも言っている)のですが、ちょっとその事には異論をはさみたいと思うのです。
大分文章が長くなってきたので(そして2日にわけて書いたのでちょっと支離滅裂にもなってきたので)、詳しくは別のエントリーで改めたいと思いますが、この「CMS」という言葉自体が、非常に広範囲な機能を統合した概念のようなもので、とらえどころがない言葉のような気がします。以前のエントリーでも言ったように、そもそも「ブログ」と「CMS」を対比させること自体がおかしいともうのです。
ページ機能、カスタムフィールドといった機能をもって「CMS」ですという風もあるようですが、この2つは、WP、MT双方に存在します。それらは本当に「CMS」としての必要条件なのでしょうか? CMSをどのように捉えるかによって、その条件は違います。そして、僕なりの捉え方を踏まえると、もっと重要な機能があるようにも思えるのです。
今度は、MT/WPどちらがいいかといったことではなく、もっと根本的なことを考えてみたいと思います。
WPは2.7が出たばかりで、どれも古いものばかりで、本がまだないですね。
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