- 2009年7月13日 16:26
- cms
いまさら感がありますが、CSSNite LP6「CMSリベンジ編」の感想と、MT5リリース告知をうけての期待などを、まとめてみようかと思います。
LP6がどんなイベントだったかは、あちこちのブログでも書かれているかと思いますので、ここでは、詳細はそちらをご参考くださいと、他人のふんどしを借りておいて、個人的な感想をいくつか。
- プレゼン技術って大切だね
- 商品は、機能だけじゃなくって、マーケティングの良さもなければ売れないよね
- MTより簡単って、制作者が楽することが本当に必要なの?
- 簡単って、こだわったことをすると余計に難しくなるってことじゃないの?
- コンテンツ≠ページ ページとはある切り口での視点。
- MT5への期待と不安
プレゼンとマーケティング
CMSというマニアックな切り口で、いくつものプレゼンを連続して聞かされたLP6。おのずから、途中で飽きてくるし、基本的な機能は同じわけで、すごく微妙な差を、限られた時間で伝えないといけないわけです。
発表者は「制作会社がつくったCMSです」とはいうものの、やはり開発者視点だなぁと感じるところがありました。そもそも簡単です。ほらHTMLにコピペするだけで動きますよ。という発想が、デザイナーは楽でしょという感じなのかな。どっか上から目線というか…..
たしかにデザイナーはプログラム的な発想に弱いところがあるのかもしれませんが、ともにクリエイターなわけで、ほら、こんなコトもできるから、新しい表現を一緒に考えようよ的なわくわく感のあるプレゼンがなかったのが残念でした。
さらに、MTに対するアドバンテージが、楽である、簡単であるという点に、みんなが集中しすぎていたこと。それって自分たちにはいいけど、お客さんにおすすめする理由にはならないですよね。簡単=コストが安く提供できるというけど、そもそもそのレベルで価格競争すべきなの?という疑問も。
MTではできない、こんな表現が簡単になら、価格アップの口実に使えて選択の可能性もあるけど、MTより簡単なので、内部コスト下げれますよだけだと、MTの圧倒的な情報量、外部スタッフのアテンドのしやすさ、凝ったコトをしたい場合の対応可能性(ベンダー以外にプラグイン開発出来るところの数)もろもろを考えると、よほどそのCMSで定型的サイズの仕事を繰り返すつもりがなければ、いろいろなコトに、臨機応変に対応しにくいな。と思いました。
むしろ、今はいかにして新しい発想、新しい切り口をお客様に提示して、価格に付加価値をつけられるかが重要ではないかと。安いといっても、「普通のものがより安く」と、「こんなコトまで出来て、この値段」っていうのは違うんです。どちらもお客様は得した印象をあたえるけど、後者のほうが当然利益率がいいわけで、それを実現するために、フルスクラッチ開発しなくてもいいフレームワークとしてCMSをつかっていこうというのが、今正しい発想だとおもうんです。(このことは野田さんが、僕らの使い方はちょっと違うといってたコトにつながると思います) [[SplitPage]]
簡単ということばの不安
それぞれのCMSを詳しく見たことがあるわけではないので、取り越し苦労かもしれないですが、簡単と言われると、つい、それはちょっと凝ったコトをしようと、逆に難しくなるんじゃないの? と思ってしまいまいました。
多くのプレゼンであったような、簡単にHTMLにコピペで部分が自動更新できますっていう例、あれMTでも全然できますよね。なぜあのプレゼンがMTとの比較になるのかがまったく理解できなかった….
たしかにMTの場合、MTタグと情報がいれかわる「Function」タグ(要するに閉じタグがないやつね)も、HTMLタグと同様<>でくくられているため、MTタグをいれたあと、ローカルでHTMLが見れないという話かもしれない。これって、「Function」タグをくくる < > が、smatyのように { } となっていれば問題ないわけですよね….これっててプラグインでつくれないかな?(MT5で対応しててもいいと思うな)
HTMLタグにアトリビュートを追加して、情報を書き換えるタイプのテンプレートも、HTMLタグに依存するタイプ(たとえば、リンクに関する条件は、Aタグにしか書けないなど)だと、リンク内にspanタグでデザインしたくてもできなくなるとか、過去、困ったこともありました。そういうことのない、MTタグは非常にお行儀がよいとおもうのです。
条件分岐、変数といった仕組みが、難しいというけど、それがないということは、条件毎にテンプレートを書かないといけないとか、投稿毎にどのテンプレートを使うか指定してあげないといけないとか、(すなわち運用にゆだねられてしまうとか….)
多くのCMSベンダーが東京発でなく、地方発というのがすごく印象的でした。
たぶん、どのCMSも同じような切り口、おなじような方向性に感じる原因ではなかったかと。地方の案件のサイズ、クライアントと制作会社の距離を考えると、ある程度の制限はあるけど、その制限の中では簡単にできてしまう。一度つくったら、2度目からはちょっと変えるだけで、次の案件に使い回しがきくCMSが、とても使いやすく、CMSが作れるぐらいの技術力があれば、凝ったコトを要求されれば、うちはスクラッチでつくれるしという対応も可能だからという結果ではないかと。
逆を返すと、東京のように多くの会社や、フリーランスの組み合わせで、いままで聞いたことのないような案件や、新しい切り口の提案を求められることが多い市場の場合、共通言語、共通プラットフォームとなるものが必要になってくるわけです。速度やコストを考えるとフルスクラッチでは冒険すぎるけど、今までの枠にないようなものを求められている。そのときのたたき台となるシステム。そこにMTはうまくはまっていったんだろうなぁと。 [[SplitPage]]
コンテンツとページは違う
以上は、それぞれのCMSの実態がそうだということではなく、プレゼンから受けた印象がそうだったということでしかありません。たぶんそれぞれ、ボクがのべたようなコトに対して、対応する何かがあるんだと思います。それをあの短い時間で伝えるのは、難しいですよね。本当におつかれさまでした。
CMSを作れる人たちがあつまり、CMSについてプレゼンを複数聞くという、希有な体験が故に、あることについての意識がみんな共通なんだなということに気がつきました。それは、コンテンツ=ページではないということを、多くのプレゼンターが述べていたことです。
SoyCMSのラベル、RCMSの関連づけ、WebReleaseもa-Blog CMSもそんな感じのコトを言っていたように思います。とくに前者2つは、ラベルや関連付けをすることで初めてコンテンツがページに表示されます。
古典的なハイパーテキスト論を考えると、1つのノード(ページ)には1つの情報の原則というのがあるわけですが、実際のウェブサイトのナビゲーションを考えると、ホームやトップはもちろん、本文ページにも、関連情報や、バックナンバーへの誘導アンカーが置かれていくコトを考えると、すでにページというのは、コンテンツのある側面で編集し集めた姿でしかないわけです。すなわち、アンカーもコンテンツを指し示しているのではなく、編集視点を指し示していると。
そう考えると、ページとコンテンツの分離という考え方は、ECMのようなCMS本来のコンテンツマネージメントともつながるところがありますね。SoyCMSはこの点をうまく機能として整理できていている印象があって、今後に期待しています。
この点について、MTの場合、blog生まれだからかと思いますが、意図的にコンテンツ=記事と、表向きは結びつけられているとおもいます。blogの命としてパーマリンク(URLが変わらないことを保証する)があるからです。
しかし、これは表向きの姿で、テンプレート上でどのようにコンテンツを表示するかは、すべて制御できるわけですし、プロフェッショナルテンプレートで、シークレットタグ(@タグ)による、記事リストテンプレートへの特定記事表示の方法なんて、まさにラベルによる関連付けと同じだと思います。問題はこの方法が、プロフェッショナルテンプレートの解説にしかかれていなく、あまりしられていないから? だけのような気がするんです。 [[SplitPage]]
MT5への期待と不安
MT5に期待するのは、このブログならではであった管理画面を、もっと純粋にコンテンツをネットに発射することだけに機能を特化していってほしいなとおもうこと。結局、MTの取っつきにくさは、ブログ用につくられた表向きの姿が、ブログという時系列で情報を整理すること以外のサイト設計をするときに、どうすればいいのかが、わかりにくく、どうしても裏技的になってしまうということでした。
しかし、ページやサイトといった機能を強化することや、構造的なサイト制作にあわせていくためには、たとえばカテゴリーの並び順や、ページ名といったものを、人がコントロールしていかなければならなくなるわけです。これはウェブ制作者ならば、IAの素養があるでしょうから自由になった=簡単になったといえるかもしれませんが、それがお客様にもいえるのだろうか? CMSをつかいこなせるリテラシーといったものが、ブログ型のものより難しくなっていく側面があるように感じます。
たとえば、アーカイブマッピングのようなものがエントリーやページ単位で決められるとか。その自由と不自由。その辺をMT5時代のぼくらはどのようにソリューションしていくかだなぁとか思います。(タグが簡単になるだけでいいのかという問題と同じですね)
もう一つは、だれでも簡単にというのが本当なのかということ。テーマがパッケージ化でき、流通しやすくなるということは、もうわかんない人はテーマをつかって下さいよということになるのかなということ。テーマが作れる人には、再生産のコストが低くなり、テーマ流通といった新しい商売も期待できる反面、テーマに依存してしまう人は、テーマを越えた提案ができなくなる….おそらく、テーマがはやると、ちょっと詳しい素人さんでもテーマをつかってサイトを立ち上げてしまうでしょうから、テーマが自作できる出来ないは、大きな分水嶺になるかも。
テーマにはプラグインも同梱出来るわけですし、コアは大きく変わらない(=テーマやプラグインを作る難易度はいままでと変わらない)と考えると、だれでも簡単にというのは、ウェブ制作者へ向けての言葉ではないということを肝に銘じておいた方がよいと思います。むしろ制作者向けに簡単になるよと期待していいのは、管理画面のカスタマイズが少し楽になるだろうなということ。(想像するに、純生さんのプラグインをつかわなくても。普通のMTタグがつかえるようになるとか?)
一番、MT5に期待したいのは、ヘルプとか用語の説明をもっと「日本人に」わかりやすくしてほしいってことですね。微妙に帰国子女的文章なのが、かなりの人の理解を妨げてると、個人的にはおもいます。
たとえば、ブログ記事テンプレートについて、の説明で、「このテンプレートの中は MTEntries ブロックタグのコンテキストとなります。」という下りの「コンテキスト」とか、たぶん、このテンプレートを使うと、MTEntriesの中に書いたことと同じになりますよという意味だとおもうんですけど、素直に日本語で書いてほしい…. モディファイヤーってのも最初なんのことか分かりづらい。HTMLでいうところの属性値(アトリビュート)のようなモノですってぐらい、エイヤーな解説がないまま、いきなりカタカナ用語をつかうから混乱する。ここがどうしてもMTは国産じゃないから分からないといわれる(外人と帰国子女と英会話が出来る人がつくってる)点だとおもうんです。
エントリーを記事に変えるって、部分ではがんばってるんですけどね。エントリーぐらいわかるって…..(またMTタグはMTEntryだからそこはかえってわからなくなるって….ページと記事って和英混在しちゃってるし)
あとは….MTコア本来の姿を管理画面で感じられるようにしてほしいかなと。ページも記事も実は同じモノだとか。アーカイブテンプレートにいろいろあるけど、結局、微妙に初期変数がちがうだけで、結局おなじじゃないの?とかとか….なにか凝ったことをやろうとしたとき、実はあれって、こうなんだよ的な知識があるかないかで、使いこなしが違ってくるってところが、裏技多用で難しいという印象につながってるような気がします。もっと本当の姿をみせてよ! MTみたいな。
結局、国産CMSにも、MTにも愚痴ばっかりなエントリーになってしまいましたけど、プラグイン1つつくるのに苦労しているボクにすると、うらやましいの、尊敬するのって….みなさん、今後の発展を楽しみに期待してます!
- Newer: デザイナーである前に
- Older: 目的や目標を明確にしない
